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2019年 7月 1日

空梅雨かと思っていたら大雨、天気の急変に驚かされます。
前回は軟腐病について書きましたが、○○剤を散布すればOKとか
そのような単純なことで克服出来ないのです。
唯一は外科的処置です。
新聞紙を2~3枚重ね作業台とします。 患部を切り取り、スターナ水和剤をそのまま
切り口に筆で粉を塗り付けます。
ハサミやナイフはバーナーで殺菌しておく必要があります。 切り取りが出来ない葉の基部の場合は手の施しようがありません。
他に感染させないように早く株ごと処分をします。
最後に新聞紙の中の物をこぼさないように丸めて廃棄します。

梅雨明けの猛暑に備え、準備をします。
植替えは早く終わりにして体力をつけるようにします。
当店では6月中に終了、7月は管理のみ。
昨年の苦い経験からです。
7月入荷予定の苗は8月に延期、8月10日以後に植え替えます。
7月は胡蝶蘭の体調管理に徹します。

徹底した薬剤管理により年中植替えをしている台湾などの農園では 真夏は日本より涼しく、環境も胡蝶蘭には優しいのです。
同じ事をしていては後塵を拝す以外に何もない。
当店ではフラスコから幼い苗を出すときのみリゾレックス(リゾクトニア対策)
+スターナ(軟腐病)1000倍液を如雨露で掛けていました。
以後は基本的に無農薬、栽培です。

2019年1月よりフラスコ出しも無農薬にしております。
まだ半年程度の実績しかありませんが、今夏が正念場だと思います。
猛暑に対してどのような反応をするのか不安です。
人間も腸内環境が良いと病気にならない。
胡蝶蘭も鉢内の微生物バランスが良いと発病しない。

鉢の中には軟腐菌もリゾクトニアもフザリュームも生息しています。
薬剤では絶対根絶できない。
定期的な薬剤散布を必要とする場合、根絶できていない証拠です。
滅菌したコンポストを使用しても、埃の中にいくらでも居ます。

微生物バランスを崩してしまうのは気温と肥料と水管理です。
気温を下げることは出来ないので、散水して葉、
鉢温度を気化熱で下げます。
簡単に書きましたが、この気温、水こそ軟腐、リゾクトニア菌が
活動するのに好都合なのです。
これを乗り切り、涼しくなれば後は楽になります。
思惑が外れば大量の胡蝶蘭を廃棄処分することになります。
屋外に出せばこのリスクは無くなります。

2019年 7月 15日

まもなく梅雨明けとのことです。
うっとうしい日が続きますが猛暑はまっぴらです。
少しでも室温を上げないように工夫します。

具体的な作業は前回記述どおりです。
実践的には、夕方4時頃からスプリンクラーで5分ほど散水。
鉢内には2㎝程の湿りが生じ、葉、床下はびっしょり濡れています。
朝には7割程蒸発して、午前10時頃には乾きます。
遮光が効いているので葉焼けは無い。
晴れた日は毎日続けます。

心配しているのは軟腐病の発生だ。
去年のような極暑は例外、胡蝶蘭も弱っているので耐えられなかった。
今年は窒素系を控えて準備しているので多分大丈夫だろう。
すでに屋外で1000株位、雨に当てているが軟腐病は皆無です。

7月後半はお中元です。
ミデイ系の生産量が極端に少なく、毎年の定例購入のお客様に割り当てるのが
精一杯です。
ファーストラブの苗生産が終了したのが響いています。
当店開発の代替品種もまだまだ先になります。

白、またはピンクの大りんの花数の少ないものをお値打ちにする予定です。 詳細はも少し先になります。
詳しくはお問い合わせ下さい。

2019年 8月 1日

梅雨明けと共に猛暑の日が続きます。
日本の夏は東南アジア諸国より暑く、
胡蝶蘭も人も厳しい季節になります。
原因は湿度が高く、海風が入らないからです。
日本で一番涼しいのが沖縄です。

耐暑方法は前回書きました。
植替えは胡蝶蘭にとってダメージが大きすぎるので控えた方が無難です。
9月に入れば夜温がある程度下がるので、植替え作業は可能です。
夜温が高い(30℃以上)と胡蝶蘭は夜間に炭酸同化で
生きるための栄養を作れなく、
反対に呼吸作用になり、折角の貯め込んだ栄養分を消費します。
つまり赤字の収支になってしまいます。

去年のように夜温が高い状態が長く続くと、胡蝶蘭は弱ってしまいます。
当園も夜間幾分涼しくなるお盆明けまでは、フラスコ出しを含め
全ての植替え、鉢増しなど、根を露出する作業は行いません。
ストレスを与えず、悪玉菌の侵入を防ぐためです。

花もちが悪い原因
昼間留守で締め切る、この場合、部屋によっては40℃を超えます。
水分が不足すると、花を犠牲にして生き延びようとして開花を強制終了
してしまいます。
ご注意ください。

今年の夜温が異常に高い日は4週程度と思われるので安心できます。
台風が来なければの話です。

8月は白の大りんの出荷が大半で、お盆用は比較的小型の物が多く出ます。
ミデイ系は「さくら子」が用意できます。
限定生産にため、ご希望の方はメールでお問い合わせください。
価格は6000~7000税別です。

2019年 8月 15日

お盆は訪れる方も少なく開店休業の状態です。
お盆需要は多くが白の大りん、続いてアマビリス、
ピンクは薄いものが少し出る程度です。

当店は一応ご来店に対応しております。
ラッピングはベテランの従業員が休んでいますので
簡素な感じでよければ対応します。
18日まで、お急ぎの胡蝶蘭の発送はできません。

またまた台風の襲来です。
少ない人数で台風の準備や後片付けをしなくてはなりません。
台風の規模にかかわらず、ハウスの補強、資材の浸水、強風対策を
し、被害を最小限に抑えます。

屋外栽培は遮光ネットを外し、4㎜目の防風ネットに張り替えます。
台風の進路を見極めて防風ネットの囲いを調整します。
新葉は強風で折れることがあります、鉢そのものが転倒、落下は
大方回避できます。

台風が過ぎても猛暑は続きます。
植替えは夜温が下がる9月にします。
当店もフラスコ苗は8月中は手を付けず、保管中です。

2019年 9月 1日

胡蝶蘭栽培の最も嫌な8月が終わりました。
今年は昨年に比べると猛暑日が比較的短く幾分楽でした。
8月の苗栽培は肥料を与えていません。
スプリンクラーの水だけです。
葉が色浅く、やや徒長しています。
乾いたら水やり、でなく毎日冷却が目的で夕方3分間散水しました。
輸入苗に少し軟腐病が発生、当園の苗は皆無でした。

9月は植替えが可能です。
当店も用意を始めました。
8月は夜温も高く、胡蝶蘭は成長する効率が落ち
逆に体力を消耗するようです。
気温が高すぎると放線菌などの善玉菌より、フザリュームに代表される
悪玉菌のほうが優勢になります。
植替えで根に傷をつけると自己免疫が落ちているので修復できず、
感染してしまいます。
余裕があれば9月15日過ぎが良い。

今年は秋雨の時期が少し早い? 今の時期の雨は何ら心配することはありません。
夜間温度が15℃を下回る中旬以後の雨は
ボトリチス菌が活発になり葉を痛めます。
注意して小さな斑点が現れましたら要注意です。
屋内に取り込みます。

胡蝶蘭の開花の理想環境は昼間温度25℃夜間温度18℃
光線量50000~70000LXです。
特に温度が30℃を超えると花芽が葉芽に変化したり、
花数が極端に少なくなります。
対策としてクーラー室で咲かせますが、遮光しないと
温度が下がりません。
強度の遮光をすると光線不足となります。
コストの問題もあり、夏期は花数が少なくなります。

2019年 9月 15日

朝夕は過ごしやすくなりました。
胡蝶蘭の植替えは10日から始めました。
ただ日中の作業は暑く、熱中症の危険があります。
当店はスポットクーラーを用いて作業を行っていますが
快適ではありません。
できれば10月以後に植替えしたいのですが苗が大きくなりすぎるので
やむなく行っています。

フラスコ苗
フラスコ出し→50本仮植(10日間)→7.5㎝鉢ミズゴケ植(5ヶ月)→定植
当店はこのようなプロセスですが仮植の代わりに6cm鉢に植える方も
多いです。
当店の場合、一気に多くのフラスコ出しをし、集中管理ができるので
この方法をとっています。
仮植期間が長いと病気に感染した場合、
50本全部に感染する可能性があります。
避けるため、
胡蝶蘭が温室内の環境に馴れる頃、なるべく早く単鉢7.5㎝に植替ます。

通常の植替は、取り出し時に根に傷が付き、そこからの病気発生防止のため、
農薬による消毒後、2~3週間乾かします。
傷口が乾き安定するまで水を与えません。

当店はコチョウランの共生菌を大事にするので 乾かさず、
適度の湿気を維持します。
もちろん消毒は一切いたしません。
これが出来るのは温室内が善玉菌優位に保たれているからです。

共生菌と書きましたが、これが実のところよく判らないのです。
善玉菌のグループには、胡蝶蘭の生育を助けるもの、
軟腐菌などの細菌を防ぐもの、リゾクトニアやフザリューム等の
カビを防ぐもの、花を落とすダニを防ぐもの。
栽培中の胡蝶蘭以外に家屋にも住み着いて、
風に乗り、埃として、自然に侵入してきます。
もちろん病原菌も侵入してきます。

多くの場合、病原菌の方が生育適合範囲が広く、増殖も速い。
乾燥すれば、全ての細菌やカビは生育を停止する。
乾燥期間を過ぎ、灌水して湿気を与えた場合、真っ先に活動するのは
悪玉菌です。
農薬による助けがなくてはなりません。

かなり前の話です。
根腐れが散発的に発生するので、ミズゴケを加熱滅菌して
放線菌資材とキトサンを添加、フラスコ苗を植え付けた。
消毒無しで経過を見たところ、
2週間も待たずに葉がパラパラと落ち、
根が腐って、見事に全滅したことがありました。

根腐れを防ぐとされる放線菌は、キトサンを糧として繁殖します。
しかし軟腐菌もキトサンを利用します。
ミズゴケが滅菌されているので軟腐菌の繁殖を阻害する善玉菌が居ないのです。
わざわざ添加した放線菌より、外部から侵入した軟腐菌のほうが
増殖が早かったのです。
ミズゴケはPHが低く、自然に住み着いている細菌は、
PHが高い環境を好む軟腐菌などをブロックする力があるようだ。
自然界のバランスをいやというほど知らされました。

2019年 10月 1日

10月は消費税が改訂されます。
当店は10月1日中に変更いたします。
カートで8%の場合そのまま注文下さい。
差額は当店で負担いたします。

10月に入れば確実に気温が低下するのですが今年は暑いです。
気温が昼間25℃、夜間20℃近くにならないと胡蝶蘭は花芽を付けません。
条件が合うと体内に花芽を宿し、1か月後に発芽してきます。
例年10月中旬には花芽が出揃いその4か月後に満開となります。
ミデイ系はも少し早く咲きます。
今年は少し遅れそうです。

屋外栽培の胡蝶蘭は10日頃には屋内に取り込みます。
最低温度が10℃になれば即取り込みます。
取り込んだ胡蝶蘭は暖かい窓辺などに置いてください。
まだ10月は日差しがきつく、
直射日光は無理、レースカーテン越しにしてください。

秋も安心して植え替えが出来ます。
あまり遅くなるとそのまま休眠してしまいます。
傷口の修復もできないまま冬を迎えることになり
弱ります。
半ばには終えるようにしてください。

当店育成の「アマリビス」の新苗(フラスコ苗)の納入が始まりました。
花の出荷は2年先になります。
花の概要は
純白の厚弁に黄色のリップが印象的な花です。
この交配は5年に渡り実施しましたが唯一の黄リップでした。
出現したのは初回の交配
更に期待して繰り返してみたが黄リップは現れなかった。
形の良いもの、枝分かれの多いもの、花の大きい物、
多く選別しました、しかし所詮アマリビス、大同小異です。
説明しないと同じに見えます。
この個体は魅力的で良い感じ、他の花はお蔵入り。

2019年 10月 15日

台風19号が通過しました。
当店は特に大きな被害は無かったので助かりました。
ただビニールの破れなど軽微な損傷はありました。
屋外栽培品はすでに屋内に取り込んでいたので
胡蝶蘭そのものは無傷です。

台風が過ぎると一気に気温の低下があります。
成株の場合特に影響は無いのですが幼株は暖房する
必要があります。
暖房をしなくても見た目には影響ないようですが成長の早さが
歴然として現れます。

今年は10月末から11月10日まで例年になく昼夜とも気温が
高く、花芽の付き方が遅いようです。
2週間以上遅れそうです。

胡蝶蘭は夜間20℃近くになると花芽を体内に宿し、1月後に
体外に顔をだします。
この20℃はあくまで目安であり、品種によっても異なります。
また夏との温度差にも大きく影響します。
今年のように夏に雨が多くて平均気温が低く、秋口に高温の日が
続くと温度差が少なく花芽が出来ないのです。

これを逆に利用して年中30℃の環境で育てれば胡蝶蘭は花芽を付けず
どんどん栄養成長します。
こうして花芽抑制し、開花希望の日から逆算して4.5ヶ月前に温度を下げます。
冬に30℃を保つのはコスト面で苦しく、最近は常夏の東南アジア諸国で
栽培して完成株として輸入します。
こうして栽培技術が無くても大量に生産、出荷出来るのです。

参考まで年中18~20℃の環境で育てると不定期咲となります。
花が終わり、新芽が展開し、充実すると花芽をつけます。
しかし花芽を宿すと成長が緩慢になり、結果、花も貧弱になります。
株が充実していると、この環境でもある程度良い花が咲きます。
ファーストラブは不要な時期は花芽を折取、必用な時咲かせています。

2019年 11月 1日

やっと秋らしくなってきました。
当店は10月20日から暖房を始めました。
趣味で栽培なら11月に入り夜温が10℃近くになってからで
良いと思います。

昨年の高温、今年の雨天の多さ、胡蝶蘭の葉が例年に
比較して大きくなっています。
コンパクトの方が綺麗です、いざ室内で花を維持するとなると
それなりの光合成が必要となります。

少ない光線量下で必要な光合成量を得るには、葉の面積を多く
しなければなりません。

同じ花の面積を維持するには大きい葉が有利で
花もちが良いと思います。
夜のお店などは全く太陽光が望めないので葉の大きさに
影響されません。
葉に蓄積された養分だけが頼りで長期の花もちが望めない。

胡蝶蘭は3本が寄せ植えされています。
寄せ植えの状態では葉が重なり多くの影が生じます。
開花中は致し方ありませんが、花が終われば1株に分けた方が
生育は早くなります。

東南アジア諸国で栽培すると年中、太陽位置が真上で
強いエネルギーを供給します。
葉は自然とコンパクトになるのです。
それをそのまま室内に取り込んでも光合成量は不足します。
曇天が多いと葉は大きくなります、自然の摂理です。

2019年 11月 15日

11月は秋の叙勲、開店などのイベントが多く胡蝶蘭の
需要が多いです。
特に今年は品薄状態で引っ張りだこです。
当店は十分な在庫を有しております。
ただ春のような多く花の付いた立派な胡蝶蘭が無く
努力していますが、平均1りんほど少なくなっています。
日照時間が短く、季節がらやむを得ません。

年が明けると日照も長くなり、花数も増えていきます。
年中、同じリン数、同じ価格になりません。
春と大きさが違うとお叱りを受けることがありますが
状況を説明してご理解を得ています。

ホルモン剤を用いて強制的に花数を増やす方法もありますが
身の丈に合った花数でないと、条件の厳しい環境に対応できず
早く花が終わります。

お育ての胡蝶蘭は現在花芽を付けていると思います。
そのまま育てれば2月に満開になります。
今、その花芽を折取るとすぐに2番目の花芽を生じます。
それを育てると3月の末から4月初めにかけて咲きます。

更に遅らせて5月に咲かせるには
花芽を折らずに伸ばします。
蕾が分化し、少し膨らみが見られたら
その蕾の部分を切除します。
脇芽から再び蕾が出ます→膨らみが見られば切除
1月に根元から切除すれば新しい花芽が出現します。
それを大切に育てます。

花芽を根元から折取る作業を繰り返すと花芽が無くなって
新しく出なくなります。

胡蝶蘭には酷な生育をさせるので十分な夜温が必要です。 22℃は確保したいです。

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