1月前ログ 

2023年 12月 1日

胡蝶蘭は10℃位で活動できなくなります。
根元に水が有り無しに関係ありません。
葉や花からの蒸発も少ないのでしおれることはないのです。

私たち人間が寒い部屋で湿った下着を着たらどうなるでしょう?
胡蝶蘭の場合も全く同じです。
気化熱でさらに温度を奪われ一夜で生理的凍傷を起こします。
この例と同じで寒い部屋では水を与えてはなりません。
試しに花の終わった株がありましたら完全に乾かし、
ポリ袋に入れ密封して明るい室内に放置してください。
ポリ袋は若干空気が入れ替わります。
10℃位の温度があれば春まで一滴の水を与えなくても生き延び、
春になれば元気に生育を始めます。

どうしても玄関などに置きたいときは面倒でも夕方になったら
暖房のある部屋に移動して一緒に過ごしてください。

日中でも人の出入りが多くて温度が確保できないときは
鉢の胡蝶蘭は諦めて切り花の胡蝶蘭にします。
根が無く、切断部から水揚げしますので寒くても平気です。
ただし5℃以下の超低温は物理的凍傷になる可能性があります。
3℃以下では霜の降りる気温です、絶望的です。

暖房のあるお部屋では乾いたらあげてください。
加湿器があれば1週間に一度で十分です、無いと乾燥が激しくなるので注意をしてください。
場合によっては3日位で与えることも必要かと思います。
前にも書きましたが石油ストーブやファンヒーターはCO2濃度が高くなるので
老化が早まり早く花が終わります。

2024年 1月 10日

当地は穏やかな新年でした。
震災に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

年始の出荷は可能ですが、寒冷地への出荷はできません。
寒波が強い場合はご相談となります。
夜間の受け取りはなるべく避けてください。
低温で長時間保管されることになります。
状況によっては凍傷になる危険性があります。

昨年は夏の高温で、根の痛みが多く出ました。
また花の数が思ったように付きません。
今年は成長を少し犠牲にしてでも、高温対策をしたコンポストに変更。

1月中旬から2月一杯は胡蝶蘭の需要の少ない時期にあたります。
当店では植え替え、5月の開花準備と作業に終わりはありません。

1月は胡蝶蘭の自然開花が始まります。
実生で品種改良を行う生産者はほとんど無くなり、さみしい限りです。
交配は予想が外れることがほとんどです。
5回に1回くらいは良い花に出会います。

実際に将来有望で営利栽培に向く、胡蝶蘭は宝くじに当たるような確率です。
1.花の色 2.花の並び 3.大きさ 4.花もち 5.丈夫で栽培しやすい 6.生育の速さ
 7.増殖ができる。
これら全てクリヤーする必要があります。

目標はカトレアのような澄んだ色彩の胡蝶蘭です。
胡蝶蘭は黄色以外は濁った感じがします。
このような色彩を狙うと、駄花ばかりの繰り返しです。
それでも飽きずに繰り返しています。

今月の作業メモ

2024年 2月 1日

1月後半は胡蝶蘭の荷動きが低調でした。
例年とあまり変わらないようです。

2月初めも胡蝶蘭の需要は少なく、それに合わせて開花量も少なくなっています。
需要が増えるのは2月後半からです。

胡蝶蘭の自然開化が始まりました。
比較的高温(昼間25℃夜間20℃)で栽培管理をした白の大輪です。
ミデイタイプは実生以外はアマビリスのみです。

実生はいろいろ、白から濃緋まで多様です。
以前は実生株も出荷していましたが、現在はメリクロンが普及していますので
出荷せず、すべて廃棄処分にします。

1500株くらい廃棄します、選抜された唯一の株はとても高価になるのです。

発蕾の早い品種はその後の花芽の成長も早い傾向があります。
逆に遅い品種は花芽の成長も緩慢です。
同じ環境でも2ヶ月も開化時期の幅があります。
出荷は開花時期を見定めて温度管理する必要があります。

当園では出荷の残った株の植替え、苗の鉢替え等を出荷の少ない1~2月に集中して行います。
労力を平均化することも栽培コストを下げるために必要です。

趣味栽培の方は十分に温度を確保出来ないことも多いので、
植え替えは3月まで待った方が安全です。
彼岸を過ぎれば積算温度も高くなります。
それまでは水を控えて力を温存します。
開化待ちの株はなるべく日光を当て、乾燥させずに乾いたら水をあげるようにします。

2024年 3月 1日

3月末は胡蝶蘭の月間販売量が最大になります。
移動、就任、退職などに使われるためです。
当店もそれに合わせて生産調整していますので在庫は十分ですが
安価な商品は早期に予約済になります。

5本立ちは受注生産です。
基本的に翌日発送(直接引き取り含む)となります。
また土、日曜日受注分は翌月曜日となります。

3月に入ると急に春めくと同時に、日差しが強くなります。
温室内では遮光ネットが必須ですが、隙間からの強光で葉焼けさせることがあります。
春になり急激に成長した葉は弱く、日焼けするのです。

3月は天候の急変に特に注意が必要です
これくらいなら大丈夫と思っていても室内の温度は急変します。

不幸にして葉焼けが生じた時、白くなったときはそのままで育てます。
黒くなった場合、患部が乾いてきたらそのままで、ブヨブヨなら切除します。
放置すると軟腐病に移行する可能性があります。

年末咲いた胡蝶蘭はそろそろ散り始めます。
花が終わった鉢は花幹の株本から2節を残して切り取ります。
その節から新しい花芽が生じて伸びて来ます。
幹の新しい所から発芽することも多いので大事に育てて下さい。
まだ寒いので温度は下げないように注意します。

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