胡蝶蘭の多用途のギフト耐えるコンポストとは

「ギフトでいただいた胡蝶蘭は花が終わったら
植え替えしなければならない」

このような記事が多くみられます。
当店では初心者、ベテランの方問わず1年以上植替無しで
安心して栽培できるように工夫して販売しております。

自然に学ぶ

胡蝶蘭の根

当店は趣味栽培が高じて生産栽培になりました。
近年参入した農園は、まず出荷数、金額
それから株の買い付け、生産計画、工業生産と同じ考えです。

完成株を仕入れるのでコンポストは付属品程度の扱い
生産工程上で重要な要素では無くなりました。

当店は苗から育てます。
自分のオリジナル品種を作成、育苗するので
コンポストは最も重要なアイテムになってます。

時代の流れが速く押し流されそうですが
生産販売を放棄するわけには行きません。

胡蝶蘭の自生地は亜熱帯地方の高山
(標高1500メートル位)

昼間は木陰で涼しく、夕方から霧に覆われます。
たっぷりと根から水分を補給できます。
この良い環境に少しでも近づける必要があります。

良いコンポストの条件

1 通気性がよい(着生蘭である)
2 適度の保水性がある(霧に見立てる)
3 経年変化(物理的、科学的)がない
4 鉄、アルミなどの金属類、塩基を多く含まない
5 軽量
6 鉢との相性

コンポストの良い状態

1 根っ子が鉢中へ積極的に入ろうとする。
2 鉢底や縁から根っ子が出てこない。
3 鉢外に出ている根っ子はあまり伸びない 。
4 根は白く編状態に。(グルグル巻きは良くない)
5 茶色や白い雑菌の菌糸が無い。
6 コンポストが美しい。

鉢中の環境が悪いと根っ子は
よりよい環境を求めて鉢外に出てきます。

鉢の中の根は新しい根が無く
肥料の吸収し切れず蓄積、環境が悪くなり雑菌が繁殖
さらに悪循環に陥ります。
このような時は早く植え替えをします。

材料

洋ランでは栽培される種別ごとに使用されるコンポストが異なります。

胡蝶蘭、カトレヤ等の着生蘭
シンビジューム、パフィオペディルム等の地生の蘭

2系統に分けられますがコンポストは共用できます。
異なるのは水管理です。
前者は乾いたら水をやる。
後者は乾く前に水をやる。
当然個人の管理方法によって使用する材料が異なります。

有機材料

自然に腐食する材料群

水苔

広く行われている水苔を硬く巻く
最大の利点は水管理が楽なことです。
上部のウオータースペースを満水にしておけば
染みこんで、ちょうど良くなります。

大量生産向け。
しかし水苔は古くなると酸性が強くなり
根っ子の育ちが悪くなります。
水苔をケチって緩く巻くと過湿で根腐れを起こします。
水苔の寿命も極端に短くなります。

ニュージーランド産が最高級品。
寿命が長くて安心して使用できます。
欠点は高価、ダニの付着が多く胡蝶蘭花落ちの最大原因で
殺虫剤で処理しないといけない。

チリ産は土地柄かPHが低すぎ生育障害が出る。
第3リン酸ナトリウムなどで中和して使用する、ダニは少ない。
輸入株はチリ産が使用されています。

国産は入手難、安心して使用できる寿命はやや短い。

中国産は寿命短く産地によるがダニも多い、短期の栽培用

ヤシ殻チップ

胡蝶蘭にはアク抜きして用います。
あく抜きと一口に言ってもいろいろの方法があります。

塩分、カリウムの除去が主たる目的ですが
タンニンが生育障害をもたらすという方も居られます。

タンニンは繊維中に含まれ防腐作用があります。
ヤシ殻が分解しにくいのはタンニンが含まれているからです。

ある大学のレポートにミズゴケとヤシ殻の比較実験の記述がありました。
要点は「ヤシ殻は残留肥料成分を多くしても水苔に比較して成長が遅い
成長を妨げる成分がある」とありましたが間違いで
正しくは「水苔は成長を促す成分がある」ということです。
他の材料では水苔以外大差ないのです。

続きは後日

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