胡蝶蘭の交配から出荷まで

交配育種から開花まで専門栽培する生産者は少なくなり、全生産者の1割にも満たない状況です。 しかし地道に足元を見ながら進む事はとても大事と思います。 当店が販売する胡蝶蘭は、丈夫さ、花持ちなど確認して育成、販売しています。

専門栽培の源、交配育種

交配中の胡蝶蘭

交配の目的を定め親株を選びます。 abcd×efghという交配名はabcdが母株でefghが花粉株になります。 交配から結実まで6ヶ月、当園ではクリーンベンチ等の無菌栽培施設は所持しておりますが、苗数が少ないので播種、メリクロン増殖は委託に出しています。 実生苗は1.5年メリクロンは2年程して帰ってきます。

フラスコから寄せ植え

寄せ植えの胡蝶蘭

フラスコ苗は専用トレーに50本単位、ミズゴケに斜めに仮植えします。 病気が発生すると、50本のトレー単位で廃棄します。環境が良いため廃却処分は皆無。

6cm鉢に植え替え

6cm鉢の胡蝶蘭

寄せ植え1ヵ月を過ぎ苗が安定したら6cm鉢に植え替える。生育不良、メリクロン変異、など栽培上の問題がある苗を早く見つけ出して廃棄します。 ここで見つけないと鉢が大きくなり廃棄時の損害が大きくなります。

4~6月程栽培します。

胡蝶蘭フラスコ苗との比較

フラスコ苗と仮植え後、6cm苗との比較です。成長が遅く、管理も繊細な注意だ必要です。

9cm鉢にミデイ系は完成

9cmポットの胡蝶蘭

ミデイ系の胡蝶蘭は完成株になるまで栽培します。

10.5cmポットの胡蝶蘭

株が充実したらミデイ系は開花室に移動します。 中大りん系は10.5cmに大りん系は12cmに植え替えます。

胡蝶蘭の大株

LLサイズの胡蝶蘭

通常は8個入り専用穴トレーで栽培します、当店は6個入りトレーで栽培します。株と株の間隔が広くなり、丈夫に育ちます 当然単位面積当たりの株数は6/8になり、コストが上がります。

開花から出荷

胡蝶蘭の花芽

夜間温度18℃ぐらいになれば花芽を分化します。 冬は暖房、夏は冷房をすることにより年中出荷できます。

需要の多い月、少ない日があり、苗からの生産調節がとても難しいのです。 開花株の輸入ならスケジュールに合わせ、必要な本数だけ発注すれば良いわけです。 花芽の生じた株、蕾まで分化した状態で輸入している合理的な農園もあります。

完成胡蝶蘭

フラスコ苗から3年、胡蝶蘭専門店として、お客様に納得していただける花の完成です。